人間が光合成できても、1日に生み出せるのはたった250kcal

本日は2名の授業がありました。

先日、「人間はなぜ光合成ができないのか」と気になりました。植物のように、日なたで過ごすことでエネルギーを得られたら、ずいぶん便利そうです。

植物の細胞には、光を利用して糖などをつくる「葉緑体」があります。人間の細胞には葉緑体がなく、それを働かせ続けるための仕組みも備わっていません。

さらに面白いのは、体が使うエネルギーと、光を受けられる面積の関係です。

仮に人間の皮膚で植物と同じように光合成ができたとしても、それだけで一日を過ごすのは難しいと考えられます。例えば、体の表面積を2平方メートル、昼夜を含む平均の光の強さを1平方メートルあたり200W、光を使えるエネルギーに変える効率を3%と仮定すると、得られるのは1日あたり約250kcalにとどまります。これは、全身の表面がその光を受けられるとした単純な試算です。この条件でも、人間の一日分のエネルギーを賄うには足りません。

植物は葉をたくさん広げて光を受けています。一方、人間の体に当たる光は、体の向きや服、日陰によってさらに限られます。体を動かし、体温を保ち、生きていくために必要なエネルギーに対して、光を受ける面積が小さいのです。[1]

では、動物が光合成を利用することは、まったくないのでしょうか。

実は、一部のウミウシは、食べた藻類の葉緑体を自分の細胞に取り込み、その葉緑体が光合成でつくる栄養を利用しています。「盗葉緑体」という名前がついています。ほかの生き物の仕組みを取り込んで、自分の体の中で使う。そんな生き方をしている動物もいるんですね。[2]

「植物は光合成をする」という知識に、「では、なぜ人間にはできないのだろう」という疑問を一つ添えると、体のつくりや必要なエネルギー、ほかの生き物の暮らし方へと話が広がっていきます。

知っているつもりのことにも、まだ考えたことのない問いが隠れています。こういう素朴な疑問を追いかける時間は、やはり面白いですね。

参考資料:[1]光合成の森「光合成速度を決める要因」/[2]基礎生物学研究所による光合成するウミウシの研究発表

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