探究学習は、好きなことから始めていい

本日は4名の指導でした。探究学習の授業もありました。

学校の探究学習を「やらされている」と感じる人も、少なくないそうです。自分が知りたいという気持ちが置き去りになると、探究も、提出物を完成させるための作業になってしまいます。

はじめから「社会のためになることを考えましょう」「社会の課題を見つけましょう」と言われても、それだけでは探究心になかなか火がつきません。

はじめは、自分の好きなことや関心事からスタートすればいいのです。何の役に立つかが分からなくても、「なぜだろう」「もっと知りたい」と思えることを大切にしたいですね。

例えば、サッカーの戦術分析に携わってきた龍岡歩さんの歩みは、とても面白いと思います。

龍岡さんには、選手としてのサッカー経験がありません。それでも、12歳から戦術をノートに記して研究を続け、海外にもサッカーを観に行っています。サッカーゲームにも熱中し、年間1000試合をプレーしていたという話が、テレビ番組でも紹介されました。

その後、サッカーショップの店長をしながらブログに書いていた試合分析が評判になり、藤枝MYFCで戦術分析官として働くことになりました。ゲームへの熱中だけでなく、試合を観て考え、分析を言葉にして伝える積み重ねがあったのです。[1]

この歩みを見ると、「好きだから知りたい」と掘り下げることが、結果として誰かの役に立つ力にもなり得るのだと感じます。

探究学習でも、はじめから立派に見えるテーマを探す必要はありません。ゲームが好きなら、なぜそのゲームには夢中になるのか。音楽が好きなら、なぜ同じ曲でも歌う人によって印象が変わるのか。自分が本当に知りたいことを、問いにしてみればいいのです。

そこから調べたり、比べたり、実際に試したりしてみる。答えを探しているうちに、別の疑問も生まれてきます。そうやって、自分の関心が少しずつ広がっていきます。

社会とのつながりは、好きなことを掘り下げる中で見えてくることもあります。「何の役に立つのか」は、興味が動き出してから考えても遅くありません。

探究のはじまりは、「これが気になる」「もっと知りたい」でいい。その気持ちに火をつける授業をしていきたいと思っています。

参考:[1]光文社『サッカー店長の戦術入門』刊行発表・著者紹介(2022年1月28日)

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